周産期母子センター

周産期母子センター

 当院では、地域周産期母子センターを設置しています。以下のリンクを参照してください。

ごあいさつ

杉山 謙二

診療部長 兼 周産期母子センター長 兼 小児科部長杉山 謙二

【重要】

 

周産期母子センターの役割

 当院は、三重県の中でも人口の最も多い北勢地域にあります。ハイリスク妊娠や分娩に対し、産科・小児科だけでなく、他科を含めた院内各部門と協力しながら治療やケアを行っています。実際に当院に入院となった場合は、母体と赤ちゃんの2つの命が無事に退院できるよう、専門スタッフが一丸となり治療に努めます。

周産期母子センターの業務案内

業務概要

 周産期母子センターは、産婦人科医、小児科医などの周産期専門医を中心としたチーム医療により、地域のみなさまが安心して分娩できる医療施設を目指しています。また、母体・新生児に関する様々な状況により、地域かかりつけ医からの搬送を受け入れています。産婦人科医、小児科医、スタッフと毎回、合同カンファレンスを行い、密に連携をとることで最善の方針を立てられるようにしています。

産婦人科外来・3東病棟

対象疾患

母体に関する疾患

 妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、胎盤位置異常(前置胎盤を含む)、常位胎盤早期剥離、母体合併症妊婦(高血圧合併、糖尿病合併など)、産褥出血、その他ハイリスク妊娠など

胎児に関する疾患

 切迫早産(頸管無力症を含む)、前期破水、胎児発育不全、胎児異常、多胎妊娠(双胎間輸血症候群を含む)、血液型不適合妊娠、羊水過多、羊水過少、胎児機能不全、胎児異常など

実績・データ

分娩統計 2020年度 2021年度 2022年度 合計
帝王切開件数 予定 72件 74件 55件 201件
緊急 45件 83件 79件 207件
年度別合計 117件 157件 134件 408件
母体搬送件数 18件 45件 76件 139件
胎児異常の件数(母体管理病名) 11件 23件 21件 55件
分娩件数 (1) 正期産 235件 242件 242件 719件
(2) 28週未満 3件 7件 7件 17件
(3) 28~33週6日 11件 14件 17件 42件
(4) 34~36週6日 33件 27件 55件 115件
年度別合計 282件 290件 321件 893件

※左右にスクロールすると表がスライドします。

母体・胎児診断センター

 妊娠中の母体・胎児を最新鋭の高精度な超音波診断装置を使い、早期に母体・胎児状態を把握診断することで、早期治療に繋げ胎児・新生児の救命率の向上を図ることを目的としています。

妊婦健診

 主に、外来で定期的に主治医による診察を受けていただきます。

 費用は、妊婦健診料4,800円(妊婦一般健康診査受診票)+エコー料、この他、医師が必要とした検査・処置料がかかります。

 外来にて妊婦健診を受けられる方は妊娠カレンダーをご参照ください。

 入院中の妊婦さんに関しては、病棟スタッフによる計測、適宜医師の診察にて行います。

助産師外来(たんぽぽ外来)

 病棟助産師により、毎週月曜日・木曜日(年末年始・祝日を除く)に産婦人科外来にて行っております。ご予約が必要です。

 ご予約方法、母親教室の内容(入院物品・入院案内、育児物品、妊娠中のおっぱいケア、帝王切開予定の方へ、経腟分娩予定の方へ)、退院後について詳細を示していますのでご参照下さい。

 その他、沐浴方法や乳頭マッサージの方法を動画にて説明しています。

 妊婦の方は、ぜひご覧ください。

体制・スタッフ

 産婦人科医師 8名

 助産師・看護師 27名

NICU

対象疾患

早産児、低出生体重児、ショック、呼吸障害、新生児仮死、先天奇形、新生児黄疸など

年別NICU、GCU入院数実績

  2019年 2020年 2021年

超低出生体重児

(1000g未満)

8名 3名 5名

極低出生体重児

(1500g未満)

6名 4名 5名
入院総数 232名 195名 253名
院外出生搬送 55名 34名 37名

※左右にスクロールすると表がスライドします。

体制・スタッフ

 小児科医師 13名

 新生児集中ケア認定看護師 1名

 小児救急認定看護師 1名

 看護師 35名(うち助産師 2名)

妊娠期~産褥期(3東病棟)

特徴・看護

 当院は、地域周産期センターであることから、正常分娩からハイリスク分娩と様々な状況の妊産褥婦の方々を対象としています。全期間を通し、産婦人科医師や小児科医師、地域の保健師、臨床心理士など様々な職種とともにサポートさせていただきます。また、入院中は、退院後の育児や母乳育児への支援などを行います。

MFICU

 MFICUとは、母体・胎児集中治療室;Maternal Fatal Intensive Care Unitの略で、「母体・胎児集中治療室」と呼ばれます。この施設は、先述した合併症妊娠や胎児・新生児に異常の可能性があるハイリスクな妊産婦に対し、高度な産科医療を提供し、新生児救急医療への安全な橋渡しを担います。

プレネイタル・ビジット

 当院では、産科病棟に入院している妊婦のうち、妊娠22週以降で産婦人科医師・小児科医師に必要と判断された妊婦と児の養育者に対して介入させていただいています。目的としては、妊産婦などを対象に妊産婦の持つ育児不安を解消するために、小児科医などが予測される児のリスクと診療内容を説明し、理解することにより、不安の解消と医療者との良好な関係構築の機会としています。

産後に関して

 産後はクリニカルパスといい、入院中の予定をスケジュール表にまとめた計画書にそって経過していきます。分娩や産後の経過によっては、医師の指示により経過が異なったり、退院日が延期となったりすることがあります。

 また、退院前には助産師や看護師による退院指導を行い、必要時や希望時はお住まいの地域の保健師とも連携を図り、退院後は、助産師外来での2週間健診や1ヶ月健診を行います。詳しくは助産師外来のページをご覧ください

スタッフについて

赤ちゃんの誕生~退院まで(3東病棟、NICU・GCU)

3東病棟新生児室

 経腟分娩にて出生した赤ちゃんに関して、経過に問題がなければ3東病棟の新生児室にて赤ちゃんをお預かりし、授乳をしていただけます。

育児・赤ちゃんの検査について

授乳

 赤ちゃんは、生後8時間以降の授乳時間から哺乳を開始します。授乳時間は、最初は1,4,7,10,13,16,19,22時の3時間ごと(規律授乳といいます)で行っています。児の欲求がみられれば、児の啼泣(前啼泣)に合わせて授乳(自律授乳といいます)を行っていきます。ただし、医師の指示があれば生後8時間以内に哺乳が開始することがあります。

ビタミンK2シロップの哺乳

 ビタミンK2シロップは赤ちゃんに起こりやすい出血を防ぐためのお薬です。生後1日目と 4日目にブドウ糖水やミルクに混ぜて、哺乳ビンで飲ませます。退院後にも、処方がありますので詳しくは薬剤師もしくは看護師からの説明を聞いていただきます。

母児同室

 産後、母子ともに経過に問題がなければできるだけ早く、母児同室を始めていただけます。

ドライテクニックと沐浴

 当院では、ドライテクニックを導入しています。ドライテクニックとは、生まれながらにして赤ちゃんの身体についてくる胎脂(たいし)をできるだけ拭き取らず、あえて大切に、自然な状態にしておく保清方法です。毎日、全身の観察、体重測定、臍の処置、着替えを行います。沐浴は4~5日目に開始します。沐浴は動画がありますので、ご参照ください。

※赤ちゃんの状態によっては、生後1日目から沐浴を行う場合もありますのでご了承ください。

新生児聴力検査(A-ABR)

 新生児の聴力は言葉の発達に重要と言われています。早期発見により早期に治療が開始できるメリットがあります。

 任意検査ですので、ご希望があれば入院中の生後3日目以降に、入眠している状態で検査技師によって行います。費用は自費となりますが、市町村によっては、補助券が妊婦一般健康診査受診票などについています。補助券は退院までに出していただくか、ご自身で市町村へ結果とともに書類を提出していただく必要があります。

 児がNICUへ入院中の場合は対応が異なりますので、スタッフへご確認ください。

先天性代謝異常等検査

 生後4日目に採血とともに行います。検査申し込み用紙を、母子手帳発行とともに市町村から配布されますので、入院時に持ってきていただくようお願いします。

新生児回診

経腟分娩にて出生した児は、入院期間中に小児科医師による診察を受けていただきます。

NICU・GCUの特徴・看護

 赤ちゃんの状態によってはさまざまですが、保育器に入ったり24時間体制で観察できるようモニターを装着したりして、医師と看護師で全身状態を見守っています。

NICUとは

 NICUとは、新生児集中治療室;Neonatal Intensive Care Unitの略です。早産などによる低体重児や先天性の重い病気を持つ新生児の受け入れ、専門医療を24時間体制で行う施設です。保育器や人工呼吸器、心拍や呼吸の監視装置が常備されています。新生児専門医師が常に勤務しており、夜間は当直医が赤ちゃんの治療を行います。

GCUとは

 GCUとは、継続保育室;Growing Care Unitの略です。NICUで治療を受け、低出生体重から脱した赤ちゃん、上体が安定してきた赤ちゃんなどが、この部屋に移動して引き続きケアを受けます。



NICUの赤ちゃんの1日の例

カンガルーケア

 カンガルーケアとは、赤ちゃんをお母さん・お父さんの胸の上に抱いて、裸の皮膚と皮膚を接触させながら保育する方法です。そうすることによって、健全な心身の発達を促そうというものです。赤ちゃんの呼吸状態や体温など全身状態が安定した頃に行います。

 実施中は赤ちゃんの呼吸状態や体温など全身状態を注意深く観察しながら行います。

 効果

      • 呼吸が規則的になり、安定する
      • 赤ちゃんの眠りが深くなり、精神的にも安定する
      • 感染症の危険が減少する
      • 親子の絆が強くなり、母乳育児の促進につながる

方法

 お母さんまたはお父さんの洋服の前を開け、椅子に腰掛けゆったりと抱っこができる様に準備してもらいます。赤ちゃんを胸の間で縦抱きにし、そのまま包み込むように抱っこします。30分から1時間ほどゆっくりと赤ちゃんとの時間をお過ごしください。

※時間を要するケアとなるため、実施させていただく人数に制限があります。

面会時間

 NICUに入室は原則、赤ちゃんのご両親のみとさせていただいています。また面会時間は予約制となっています。面会時に次回の面会予約を取っていただいています。

 以前は面会コーナーを設け、赤ちゃんのご兄弟・おじいちゃん・おばあちゃんにガラス越しで面会をすることが可能でした。しかし、現在はCOVID-19の感染防止対策のため面会制限を設けさせていただいています。

 詳細については、下記の「面会時の注意事項・お願い」をご覧ください。

面会時の注意事項・お願い
  • 面会は赤ちゃんから見た、お母さんもしくはお父さんのみに限らせていただいています。(NIUCに入室できるのは1名のみです。途中交代はできません)
  • 面会グループは2グループ制とさせて頂いております。 『月・木・土』『火・金・日』どちらかのグループを選択していただきます。(選択後は変更不可となります)
  • 面会時間は1家族につき1時間でお願いしております。
  • 面会可能時間は10時~16時の予約枠とさせて頂いています。
  • ご両親で面会に見えた場合は、状況に応じて可能であれば「ガラス越し面会」「モニター越し面会」での対応もさせていただきます。
  • 退院前には、赤ちゃんの状態をみながら育児を進めるため、通常よりも少し長めに時間を確保し、育児練習や母児同室を行うこともあります。 ただし、医師の許可での実施となるため、全例ではありません。

NICUの設備

NICUには沐浴室・授乳室を完備しております。

赤ちゃんがNICUに入院となっても、育児練習を継続して受けて頂くことができます。

沐浴室

 経腟分娩の赤ちゃんは生後4日目から、帝王切開分娩の赤ちゃんは生後6日目からお風呂に入ります。治療や経過によりお風呂に入ることができない赤ちゃんは、体力の消費を最小限にできることなどからドライテクニックを取り入れ、毎日からだを拭いています。

授乳室

 お母さんにおっぱいをしてもらうお部屋になります。

 赤ちゃんとの接し方や育児の練習をスタッフも一緒にサポートします。おっぱいをする方法や授乳方法についてなどの写真も貼ってあるので、参考にしながら練習をすることができます。

(女性専用のフロアとなるため、男性の入室はご遠慮頂いております)

退院前育児

長め面会

 退院前には、赤ちゃんの状態を見ながら育児を進めるため、通常よりも少し長めに時間を確保し育児練習をしたり、赤ちゃんの生活リズムを知っていただいたり、自宅生活に向けたご家族の育児支援もさせて頂いております。

 状況に応じて、NICUフロア内または家族控え室で行います。

 『家族控え室』
 退院後の生活をイメージしながら、赤ちゃんと一緒にゆっくり過ごしていただけるお部屋となっています。
 退院前にはご両親が主体となって育児練習を行っていただきますが、NICUフロアと繋がっているインターホンも完備しているので、いつでも気兼ねなく育児相談も行えます。
一泊同室

 以前は、家族控え室にてお泊まりをしながらの育児練習を実施していましたが、現在はCOVID-19の感染防止対策のため実施しておりません。

 しかし、育児練習をしていく中でご両親の不安や育児手技獲得状況に合わせ一泊同室が必要と判断された場合、医師の許可のもとで実施する場合があります。

 その際は、3西病棟の病室を使用して実施します。

育児動画

 おむつ交換、ミルクの作り方、沐浴の方法についての動画を当院HPに掲載しています。

 赤ちゃんへの育児が始まる前に目を通していただき、イメージをつかんで頂きたいと思います。また、面会後の復習としてもご利用いただけます。

 

(1) おむつ交換について紹介します。

 

(2) ミルクの作り方について紹介します。

 

(3) 沐浴の方法について紹介します。

 

地域医療との連携

保健師訪問

 退院後の育児について不安を抱えることも多いと思います。希望された場合には、赤ちゃんの入院中の経過やお母さんの心配事などを保健師さんに伝えています。退院後に地域の保健師さんが自宅に訪問し、お母さんの心配事や育児相談など赤ちゃんの状態を見て頂くことが出来ます。

訪問看護

 退院後も医療処置や看護ケアが必要な赤ちゃんもいます。必要と判断された場合には、赤ちゃんの入院中の経過やお母さん達の心配な事、どのようなケアを行って欲しいか等を明確にして、退院後をより良い環境で過ごせる様にご家族、主治医、訪問看護師、NICU看護師等で話し合いを行います。

退院前には看護師がお宅に訪問し、退院後もご家族が安心して赤ちゃんと生活出来るように、使用する物品の場所や導線などを確認させて頂く場合もあります。

たんぽぽ外来

スタッフについて

分娩費用

出産入院預かり金・産科医療補償制度のご案内です。

 詳しくは下記ページよりご覧ください。

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