医療安全管理部

日常の診療において、全ての医療従事者は少なからず「ヒヤリ、ハット」する経験を持っています。 しかし、「ヒヤリ、ハット」の直後に大事に至らずホッと安堵しつつ、「何故こんなことが起こったのだろう」と自問し、「何が原因だったのか」と考えています。

医療機関で発生する事故はまさに命に直結する重大な結末を招きます。 それをいかにして防ぐか、診療上の危険因子（リスク）をいかに避けるか、それが私たち医療従事者の大切な業務のひとつです。先人達の経験から、重大な事故が発生する背景には300の「ヒヤリ・ハット」事例があることが知られています。 即ち、病院全体で日常経験する「ヒヤリ・ハット」事例を漏らさず収集し、あらゆる可能性のある危険因子を明らかにし、重大事故を防止する体制が不可欠となっています。

当院では、医療に従事する全ての職種・部署にリスクマネージャーを置き、「ヒヤリ・ハット」事例を自主的に報告し収集する体制が確立されています。

その中心となるのが「医療安全管理委員会」で、収集された「ヒヤリ・ハット」事例からその背景にある危険因子をいかに排除するか、どのようにしたらより安全な医療が実施できるかを分析し、委員会から全職員に対してリスク回避対策や業務の見直し、診療体制の改善策が示されています。

これは、「信頼」と「安全」を保証するための医療機関としての基本体制です。 

院内の渉外担当・安全管理対応として、警察官OBが常駐しています。 

渉外・迷惑行為や暴力行為に対応する活動を行い、患者さんやそのご家族、職員の安全確保に努めています。

医療事故の再発を防止し、医療の安全を確保するため、過失のある医療行為にて高度障害が永続的に残存した事例や死亡した事例、あるいは発生の予防および再発の防止に資すると判断される警鐘的な事例など、社会的影響があると判断される事例などについては、患者・ご家族の同意を得て公表します。

また、それ以外に相当する医療事故は過失の有無によらず、患者影響度レベル別の件数を包括的に毎月公表します。