理事長・病院長ロングインタビュー

 当院の理事長・病院長である新保秀人のインタビューを掲載しています。

当院の役割

理事長・病院長 新保 秀人

理事長・病院長
新保 秀人

 当院は、昭和 23年 8月に、旧海軍燃料廠附属病院を継承した、「三重県立医学専門学校・三重県立医科大学附属塩浜病院」を前身として開院し、その後、「県立総合塩浜病院」として、北勢地域における県立病院としての役割を果たしてきました。平成 6 年には、名称を「三重県立総合医療センター」に変更するとともに、現在の四日市市日永の丘陵地帯に移転し、平成 24 年 4 月 1 日には、病院の運営形態を「地方独立行政法人」へと移行しました。

 

 当院は公立病院であるため、公的な役割を担っております。そのため、「採算が合わないから診療をやめる」ということはできません。特に、小児医療は採算が合わないと言われておりますが、当院ではスタッフの経営努力により採算割れはしていないものの、悪くなったからと言ってやめることはできません。このことから、当院の1つ目の役割は、地域に必要な医療を提供し続けるということと言えます。

 もう1つの大切な役割は救急医療です。医療の原点は「救急」ということもあり、「困った時に行ける病院がない」ということがないよう、救急搬送はなるべく受け入れるという体制を取っており、応需率(※)は98%近い数字(平成29年度)となっております。なお、残り2%は、救急の輪番日でない日に救急患者さんが同時集中した場合や、指の切断など高度な専門的処置が必要な際に、対応できる医師がすぐに確保できない場合など、どうしても受け入れが困難なケースでした。

 さらに、高度・先進医療を継続して提供していくことも当院の役割の1つです。

 

 ※応需率…救急車受入要請のうち何台受入れができたのか、その割合を表しています。

地域かかりつけ医の先生方との連携

 当院は、地域かかりつけ医の先生から患者さんを紹介していただく紹介予約制の病院ですので、かかりつけ医の先生方との連携が必要不可欠です。紹介いただいた患者さんの容態が安定した後は、再びかかりつけ医の先生に診ていただく必要もありますので、連携体制の強化充実には特に力を入れております。

 

 また昨今では、在宅医療が推進されており、当院も訪問医療に取り組んでいる地域の病院と連携して取り組んでいます。そのため、例えば当院で手術を行った患者さんが、術後そのまま入院するのか、在宅医療とするのかを、各関係機関と相談して治療方針を決めるということも行っています。

当院のアピールポイント・強み

 当院の強みのひとつは、周産期医療(※)です。当院の周産期母子医療センターは、帝王切開などハイリスク分娩について専門に取り組んでおります。NICUに入院している小児の数は、おそらく三重県内の病院の中では一番多いと思われます。また、平成30年11月には、小児外科を新しく標榜するなど、小児に関する医療体制は非常に充実しています。

 

 整形外科(主に関節)や婦人科においても手術の件数が多く、整形外科では、変形性膝関節症に対する人工関節置換、関節温存手術、ならびにスポーツ外傷に対する関節鏡下手術、婦人科においては、良性疾患(子宮筋腫、子宮内膜症、子宮脱、卵巣腫瘍)、悪性疾患(子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌等)への腹腔鏡下手術などで、先進的な取り組みを行っております。

 

※周産期医療…周産期とは「妊娠22週から生後7日未満」までの期間を指します。「周産期医療」とはこの期間中の妊婦および胎児・新生児を対象とし、母児の生命に関わる緊急事態への対応も含む、産科・小児科の一貫した総合的な医療を意味しています。

医師の業務負担軽減

 病院内における業務の内、当直業務や緊急対応など医師でないと対応できない業務が非常に多くあり、これらの業務が医師の長時間勤務につながっていることが多かったですが、近年は医師の残業・長時間勤務を減らすべく、医師の人員確保に取り組んできました。

 その結果、例えば1人の医師に集中していた業務を複数人で分けて行うことができるようになったため、医師1人あたりの残業時間が徐々に削減されています。

  

 逆に、医師の仕事を看護師や事務職員へとシフトする「タスクシフト」も毎月会議を行って積極的に取り組んでおりますが、現状では医療事務などの専門資格を持った事務職員数が不足しており、非常に苦労しております。しかし、求人に力を入れるなど、努力しながら進めております。

当院の課題と力を入れていきたい分野

理事長・病院長 新保 秀人

 集中治療体制の充実が一番の課題と考えております。現状では、救急外来はうまく機能しているものの、手術後の集中管理や容体が急変した場合の集中治療時は、基本的には担当医が対応するケースがほとんどです。そのため、手術後の集中管理や容体が急変した場合の集中治療を担当する集中治療専門医の充実に力を入れていきたいと考えております。

 また、患者さんの腹部を大きく切開する必要のない内視鏡治療などの低侵襲治療(※)についても、これまで以上に充実させていきたいと考えております。

 

※低侵襲治療:「体に取って害のあること」を医学用語で「侵襲(しんしゅう)」と言います。特に治療に伴う体への害について言われることが多く、手術であれば身体にメスを入れること、薬であれば副作用の可能性も含めて「侵襲」といいます。 「低侵襲治療」とは、この侵襲の度合いをできるだけ低くする治療のことです。

今後のビジョン

 業務の効率化が叫ばれておりますが、私は多少の無駄はあっても良いと思います。車のハンドルのように業務にも少しは「あそび」も必要です。そのため、レスポンス良く、「あそび」のある効率化を目指していきたいと思います。

 さらに接遇についてですが、コンビニでもお客様にはきちんとお辞儀するようになっているのに、病院では徹底できていないように思います。ただ、ほとんどの当院スタッフは、すでに良い接遇ができていますので、今後さらに良くなってくると当院のブランド力も上がり、働くスタッフが誇りをもって働くことができるようになると思いますので、今後も接遇には力を入れていきたいと考えております。

 もちろん、救命救急や高度・特殊医療の提供などについても、引き続き、提供できる体制を維持し、その結果として、安全・安心できる地域社会の実現に向けて医療面から貢献していきたいと考えています。

 

▶︎インタビュー・撮影/2018年11月21日

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