平成29年度 三重県立総合医療センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1620 303 317 587 844 796 1408 1898 1333 300
【定義】
H29年度に退院した患者数を10歳刻みに年齢階級別に集計しました。年齢は入院時の満年齢です。

【説明】
当院の入院患者さんは60歳以上が全体の5割を占めています。
また当院は、0歳~9歳までの患者が多い特徴があります。一つの要因として、北勢地域の「地域周産期母子医療センター」の指定を受け、ハイリスク妊婦の診察、治療及び救急搬送の受け入れを行い、NICUでは新生児専門医師が常に勤務しており、24時間体制で早産などによる低出生体重児や先天性の重い病気を持つ新生児を受け入れる体制が整っていることが考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病なし 191 5.61 5.94 0.00 1.32
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術処置2なし 177 4.64 5.50 0.00 2.79
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術処置2なし 136 5.87 6.03 0.00 2.35
当院小児科は、RSウイルスやマイコプラズマ等の感染による肺炎・気管支炎といった呼吸器系の疾患や、腸炎での入院が多くを占めています。
また、北勢地区の病院では最多の小児科医師を確保することで、時間外・休日対応を行える体制を整えることができ、積極的に他医療機関より紹介を受け入れています。
消化器・一般外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢的摘出術等 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 40 7.75 7.40 0.00 57.63
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術 等 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 39 15.85 15.61 0.00 69.49
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 35 5.09 5.56 0.00 32.23
当院消化器・一般外科には小児外科専門外来があり、虫垂炎の手術の約3割が15歳未満の患者さんです。上記診断群の結腸の悪性腫瘍手術はほどんどが腹腔鏡下で施行され、日本内視鏡外科学会・技術認定医が常勤しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160990xx97x0xx 多部位外傷 手術あり 手術処置2なし 184 8.10 18.54 0.54 44.14
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 134 22.63 27.09 79.85 80.25
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 67 22.63 25.09 0.00 73.91
軟骨損傷の再生医療となる、「培養軟骨移植術」は保険治療するためには病院の施設認定が必要で、関節鏡下靱帯再建術、半月板手術、人工膝関節置換術などの膝関節手術の実績等を問われますが、当院はこれをクリアしています。損傷の面積や深度に応じたそれぞれの患者さんに適切な治療法を選択することが可能となりました。
大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折は、高齢の寝たきりの原因となるとされていますが、積極的に手術・リハビリを施行し、早期社会復帰を目指し、症状が落ち着いたら近隣医療機関に紹介も行っています。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病なし 50 7.02 7.34 8.00 57.80
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(JCS10未満) 手術・処置等2なし 29 21.38 19.10 51.72 67.97
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む)腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術(後方椎体固定等)手術処置2なし 28 32.93 21.70 3.57 62.29
16で始まるDPCコードは、外傷疾患を表します。救急患者を積極的に受け入れており、外傷疾患が多くを占めています。また、緊急手術にも迅速に対応できるよう体制を整えています。
脳神経外科では専門外来「脊椎・脊髄外来」を行っています。変性脊椎疾患・椎間板障害等に対し、より低侵襲性治療を行うために、手術用顕微鏡を用いた手術を行うことで、早期の社会復帰を可能としています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術処置2なし 67 8.72 12.35 2.99 68.58
040200xx97x00x 気胸 その他の手術あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 33 11.18 16.54 0.00 37.52
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 10 7.70 9.85 0.00 62.10
CT等画像診断装置の進歩により、肺の末梢に存在する小さな肺癌が発見されるようになりました。
肺の切除範囲が少なければ少ないほど呼吸機能が温存されるため、区域切除(癌病巣を肺葉がさらに細かく区画された区域単位で切除する)を患者さんの同意を得た上で積極的に行っています。
当院呼吸器外科では、胸腔鏡手術により患者さんのQOL(生活の質)が保てるような手術を行うよう努めています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術処置1なし 手術処置2-1あり 定義副傷病名なし 11 17.36 23.93 0.00 68.27
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)腹部大動脈(分岐血管の再建を伴うもの)等 手術処置2-1あり - - 21.40 - -
050050xx01110x 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。)単独のもの等 手術処置1-1、2あり 手術処置2-1あり 定義副傷病名なし - - 28.11 - -
1位の診断群は大動脈弁や僧帽弁の狭窄症・閉鎖不全症・逆流症に対し、弁形成術、弁置換術を行う手術を指します。
予定手術が決定している患者さんに対し、前もって患者さん自身の血液を採取し、病院内で保存しておき、手術時の輸血は自分の血液でまかなう「自己血輸血」を積極的に行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下膣式子宮全摘術等 188 6.30 6.28 0.00 42.12
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(膣式を含む。)腹腔鏡下によるもの等 103 6.26 6.37 0.00 40.70
120100xx02xxxx 子宮内膜症 腹腔鏡下膣式子宮全摘術等 63 6.62 6.80 0.00 40.03
当院産婦人科は、産婦人科腫瘍や婦人科癌、周産期等を含む産婦人科全般における診療を行っています。
上記診断群のうち、上位3つの診断群の病名は、子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症を指します。いずれも良性疾患です。平均年齢より、妊娠可能年齢者が多く、より生殖能力を温存できるよう、腹腔鏡下での手術を積極的に行っています。

耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 27 5.74 5.48 0.00 37.44
030428xxxxxxxx 突発性難聴 - - 9.18 - -
030380xxxxxxxx 鼻出血 - - 5.79 - -
最も多い診断群は、急性扁桃炎・扁桃周囲膿瘍等の病名でした。食事ができない場合や内服による薬物療法では十分な効果が得られない症例等の入院管理を行っています。

脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 発症前Rankin Scale0、1又は2 69 18.72 16.38 34.78 70.49
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 27 9.93 6.32 14.81 49.33
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術処置2なし 18 3.78 6.28 0.00 67.11
1位の脳梗塞の診断群は、発症3日目以内、エダラボンを使用した診断群になります。下2桁は、発症前Rankin Scale(発症前のおおむね1週間のADLを病歴等から推定)や副傷病名の有無によって異なります。
救急患者を積極的に受け入れているため、当院に入院される脳梗塞の患者さんは、発症から3日以内がほとんどです。脳神経外科との合同チーム医療(脳卒中ユニット)を形成し、脳血管障害を中心に毎日24時間迅速な対応を可能としています。
当院では、脳梗塞発症後4.5時間以内の超急性期加療として、脳卒中学会ガイドラインに基づきt-pAを用いた加療も行っています。

皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症 11 13.45 11.73 0.00 65.27
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 8.95 - -
080110xxxxx0xx 水疱症 手術処置2なし - - 29.24 - -
急性膿皮症の診断群病名の一つである蜂窩織炎は、入院にて炎症を内服や点滴療法にて抑える治療を行っております。
また、近年高齢化社会により増加している褥瘡の治療、予防ケアにも力を入れております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍 経尿道的手術 手術処置1なし 手術処置2-2あり 定義副傷病名なし 35 7.03 7.64 0.00 74.17
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 経尿道的手術 手術処置1なし 手術処置2なし 21 10.48 7.31 0.00 75.52
110070xx99x20x 膀胱腫瘍 手術なし 手術処置2-2あり 定義副傷病名なし 19 8.63 11.31 0.00 69.05
膀胱腫瘍に対する経尿道的切除術(TUR)では、電解質溶液下で良好な切開性能が得られるTURis(TUR in saline)システムを採用しています。
尿路性器悪性腫瘍(膀胱癌・前立腺癌・腎癌・精巣癌など)の治療は、手術のみならず、放射線療法や抗癌剤を使用した全身化学療法の集学的治療を積極的に行っています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置1なし 手術処置2-4あり 定義副傷病名なし 96 9.23 11.99 0.00 70.36
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術処置2なし 84 17.70 19.65 5.95 71.45
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 48 8.46 13.83 4.17 74.21
肺の悪性腫瘍の治療は、呼吸器外科と密に連携して診断から手術までの期間短縮に努め、集学的治療を積極的に行っています。また、生活の質を重視し、外来化学療法を推進することで入院期間の短縮や在宅期間の延長に努めています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置1-1あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 219 3.17 3.03 0.00 69.21
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術処置1-なし、1,2あり 手術処置2なし 定義副傷病名なし 146 4.74 4.62 0.00 69.72
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病名なし 112 18.25 17.71 8.04 81.61
狭心症の手術処置1-1は、心臓カテーテル検査を指します。当院では心臓カテーテル検査後、必要な患者さんに対し、経皮的冠動脈ステント留置術(PCI)を施行しています。穿刺部位は手首か肘の血管を選択し、侵襲が少なく術後安楽に過ごせるよう配慮しています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術処置2なし 定義副傷病名なし 45 12.04 10.61 0.00 74.87
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 40 7.18 7.87 0.00 57.80
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術処置1なし 手術処置2なし 定義副傷病なし 38 7.26 8.98 0.00 60.39
1位の診断群は、胆管結石症に対する内視鏡的乳頭切開術(EST)または内視鏡的胆道ステント留置術を指します。
「内視鏡的大腸ポリープ切除術」の診断群は出来高算定のためここに計上されておりませんが、当院では、内視鏡センターにおいて、大腸ポリペクトミークリパスを用い、1泊2日で行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 39 - 18 40 - 13 1 7
大腸癌 22 23 41 34 - 16 1 7
乳癌 22 11 - - - - 1 7
肺癌 43 21 90 92 - 42 1 7
肝癌 - 12 - - - 33 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
5大癌とは、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌を指します。
UICC病期分類とは、UICC病期分類国際対がん連合によって定められた、
T:原発巣の大きさと広がり
N:所属リンパ節転移の状況
M:遠隔転移
によって癌をステージⅠ期(早期)からⅣ期(末期)に分類するものです。複数回入院した患者さんはそれぞれカウントしています。
「初発」とは、当院において診断、あるいは初回治療を行った場合を指し、
「再発」とは、当院・他院に関わらず、初回治療終了後、診察した場合や、再発・再燃または新たな遠隔転移が出てきた場合を指します。
当院では5大癌のステージ分類をすべてUICCで行いました。

【説明】
当院では、外科的治療、体腔鏡的治療、内視鏡的治療、化学療法、放射線治療といった治療を、患者さんの状態に合わせた集学的な治療を行っております。
胃癌、大腸癌、乳癌は早期(ステージⅠ、Ⅱ)での来院が多く、肺癌はステージが比較的進んだⅢ期以上の来院が多いです。
また、肺癌と肝癌は再発後来院し、治療を行う患者が他の癌に比べ多い傾向にあります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 28 7.11 52.54
中等症 126 12.61 79.63
重症 25 18.64 84.32
超重症 13 16.69 82.69
不明 - - -
【定義】
DPCでは、医療資源投入病名と主病名、入院契機病名の3病名を必ず入力します。
このDPCデータの入院契機病名および医療資源投入病名が肺炎(ICD10がJ13~J89で始まるもの)を出力しました。
ICD10とは世界保健機関(WHO)が定めた傷病に関する分類です。病名をコード化し、これを用いることにより世界の異なる国における傷病の状況を比較することができます。

この肺炎の重症度は、下記のA-DROPスコアを用いて点数化します。
・A(Age:年齢)→男性70歳以上、女性75歳以上
・D(Dehydration:脱水) →BUN21mg/dL以上、または脱水あり
・R(Respiration:呼吸) →SpO2 90%以下(PaO2  60Torr以下)
・O(Orientation:見当識) →意識障害あり
・P(Pressure:血圧) →血圧(収縮期)90mmHg以下

上記は5点満点で1項目該当すれば、1点、2項目該当すれば、2点と計算します。
・軽症 :0点
・中等度:1~2点
・重症 :3点
・超重症:4~5点。ただしショックがあれば1項目のみでも超重症とする。

【説明】
平均在院日数から読み取る通り、重症度が上がると長い治療期間を要します。軽症の患者さんの平均年齢が52歳に比べ、中等度から超重症になると高齢の患者さんが多くなっています。
重症度が上がると長い治療期間を要し、平均在院日数も伸びる傾向にあります。また、平均年齢より、高齢の患者さんは重症化しやすい傾向にあることが分かります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 197 22.93 73.52 37.67
その他 18 18.89 70.67 1.86
【定義】
医療資源投入病名が脳梗塞(I63$)である病名を発症日から3日以内とその他に分けて集計しました。

【説明】
脳梗塞(I63$)は発症から3日以内の入院が圧倒的に多くを占めています。
当院では、脳梗塞発症4.5時間以内の超急性期加療として、脳卒中学会ガイドラインに基づき、t-PAを用いた加療を行っております。脳神経内科と脳神経外科との合同チーム医療を形成し(脳卒中ユニット)、毎日24時間迅速な対応を可能としています。
また、地域連携クリニカルパスの運用により、急性期を経過した患者さんのすみやかな回復期リハビリテーション施設への移行も図っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器・一般外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 91 1.09 2.21 0.00 37.41
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 76 1.74 4.83 0.00 59.36
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 47 4.28 13.36 0.00 70.32
当院消化器・一般外科では、食道癌、胃癌、大腸癌、胆嚢結石、虫垂炎、腸閉塞、鼠径ヘルニア、腹壁ヘルニア等疾患に対し、腹腔鏡下手術を高頻度に施行しています。また、消化器癌の診療は、各臓器の癌診療ガイドラインに準拠し、早期消化器癌は、消化器内科と内視鏡的治療の適応を検討しています。
腹腔鏡下鼠経ヘルニア手術の平均年齢が他の手術に比べ若い原因は、小児外科専門外来があり、鼠径ヘルニアや陰のう水腫等の手術を施行していることが挙げられます。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 111 1.95 21.93 1.80 73.01
K0461 骨折観血的手術(大腿) 98 3.08 16.90 68.37 77.67
K068-2 関節鏡下半月板切除術 72 0.00 2.99 0.00 51.74
当院整形外科では専用の無菌室(クリーンルーム)での人工関節手術を行っており、安定した治療成績を得ています。高齢化社会に伴い、変形性関節症は増加傾向にあります。膝関節はH28年度より20件以上増加しています。症例数の多いものはクリパスを使用し、人工関節置換術(膝)は術後3週間にて退院しています。
半月板切除術は最短3泊4日の在院日数で、ほぼクリパス通りを実現しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 45 3.00 18.69 11.11 70.18
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) 32 0.41 12.94 28.12 76.88
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 28 3.75 28.11 0.00 63.07
脊椎固定術は、主に頚椎、腰椎の変性疾患(椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、後縦靭帯骨化症等)に対する手術です。
その他、外傷による椎体骨折に対し、早期リハビリを目的とした脊椎固定術を行っています。術後、当院にて早期リハビリを実施するケースが多いため、術後の平均日数が長くなる傾向にあります。
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、外傷性の慢性硬膜下血腫、非外傷性の慢性硬膜下血腫があり、緊急入院を必要とする患者さんがほとんどで、救急疾患に対する迅速な診断、治療を行っています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K513-4 胸腔鏡下肺縫縮術 41 5.09 6.48 0.00 42.12
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 31 1.29 4.90 0.00 67.81
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 30 1.20 8.00 6.67 68.53
胸腔鏡下肺縫縮術は気胸に対する手術です。当院では胸腔鏡下手術により痛みを和らげ早期の社会復帰ができるように努めています。
肺に対しての手術は 胸腔鏡手技の習熟に伴い創のサイズを縮小し、5cm程度の切開創での胸腔鏡手術を中心に行っています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 16 3.44 22.50 6.25 71.50
K5607 大動脈瘤切除術(腹部大動脈)(その他) 11 2.64 12.18 0.00 66.09
K5551 弁置換術(1弁) - - - - -
当院心臓血管外科では、狭心症や心筋梗塞に対し、冠動脈・大動脈バイパス移植術を行っています。この手術を行う場合、体に優しく、安全性が高い「オフポンプ手術」を採用しています。人工心肺を使わないため、手術を受ける患者さんの身体への負担が軽く合併症を有する患者さんや高齢の患者さんでもより安全に手術を受けることが可能となっています。
腹部大動脈瘤の手術は、大動脈瘤を切除し、人工血管に置き換える人工血管置換術が一般的です。
予定手術の場合、前もって患者さん自身の血液を採取し、病院内で保存しておき、手術時の輸血の際には自分の血液でまかなう「自己血輸血」を行っております。
自己血輸血は、他人の血液を輸血することに伴う合併症や副作用を防ぐ意味で、非常に有効な輸血方法です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 142 1.51 4.07 0.00 42.05
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 135 1.41 3.99 0.00 45.29
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 75 1.35 4.09 0.00 37.20
当院産婦人科では、積極的に腹腔鏡下での治療を行っています。
子宮筋腫や卵巣腫瘍、卵巣のう腫、子宮内膜症は、若い年齢の患者さんが罹患することが多く、平均年齢は他科の手術症例に比べ低くなっています。また、他医療機関より不妊治療目的での手術依頼が多い傾向にあります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 62 2.11 5.89 0.00 74.08
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 15 1.07 4.07 0.00 63.93
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) - - - - -
経尿道的切除術(TUR)では、電解質溶液下で良好な切開性能が得られるTURis(TUR in saline)システムを採用しています。
また、各種検査や手術において、入院中の治療や検査等の経過をまとめた診療計画表であるクリニカルパスを用いて効率的な医療を提供しています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 140 1.37 4.15 0.71 70.79
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 32 3.19 9.97 3.12 77.72
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 25 0.08 14.60 0.00 66.68
経皮的冠動脈ステント留置術(PCI)は多くが予定した入院で手術を行いますが、当院では、急性心筋梗塞や不安定狭心症等、循環器救急に迅速に対応すべく、待機医を配置しています。
房室ブロックや洞不全症候群などの不整脈疾患に対して、確実な診断と、投薬やペースメーカーによる治療を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 94 0.71 1.52 0.00 66.43
K654 内視鏡的消化管止血術 38 0.05 7.63 2.63 68.58
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 37 2.38 14.24 2.70 80.84
当院内視鏡センターでは、外科・内科医がチーム一丸となって診断・治療が早期に展開できる体制を取っています。
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(EMR)は1泊2日で行っており、粘膜下層でより大きな腫瘍を治療する際は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っております。
胆膵治療では、内視鏡的膵胆管造影(ERCP)等検査と、上記の内視鏡的胆道ステント留置術や内視鏡的乳頭切開術(EST)等の手術をX線透視を利用し、内視鏡センターで行います。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 15 0.16
異なる 17 0.18
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 41 0.44
異なる - -
【定義】
医療資源投入病名が上記のものについて、入院契機病名(DPC6桁レベル)と同一か異なるかで分け、出力しました。

【説明】
合併症は、患者さんの状態により引き起こされる確率は様々です。当院では、手術や処置を施行する場合起こり得る合併症について、可能な限り事前に患者さんに説明した上で同意をいただくよう努めております。
敗血症とは感染症によっておこる重篤な全身性の反応です。入院契機病名と同一と異なる場合の割合はほとんど同じでした。平均年齢は75歳と高齢の方が多くを占めています。
手術・処置等の合併症で一番多かった病名は後出血でした。術後、一度出血した部位から時間をおいて再び出血することを指します。高齢の患者さんや基礎疾患など免疫力の低下や様々な要因が原因で起こることが理由だと考えられます。
当院では、手術を受ける患者さんが安全に手術を受けることが出来るよう安全管理を徹底しています。
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