呼吸器外科

呼吸器外科

 呼吸器外科は、肺癌、気胸、炎症性肺疾患、膿胸、悪性中皮腫、縦隔腫瘍、手掌多汗症、胸部外傷等、呼吸器外科全般にわたる手術を行っています。

診療方針

鈴木 仁之

呼吸器外科部長 兼 心臓血管外科医長 兼 北勢呼吸器センター副センター長鈴木 仁之

受診される皆様へ

 当院の呼吸器外科は、三重県立総合医療センターが開設された1994年10月に発足しました。当科では、肺癌、気胸、炎症性肺疾患、膿胸、悪性中皮腫、縦隔腫瘍胸部外傷等、呼吸器外科全般にわたる手術を行っています。
 私たち呼吸器外科は、地域の皆様の健康に貢献できますよう努力いたしますので、お気軽にご相談下さい。

 

  

かかりつけ医の先生方へ

 当科では、呼吸器外科のあらゆる疾患に対する手術に対応しています。総合病院の特徴を最大限に利用し、他科との協力のもと、進行肺癌に対する拡大手術や合併症を有する患者さんに対する手術も積極的に行っています。
 さらに呼吸器内科と密に連携して初診から手術までの期間を短縮するよう努め、肺癌や悪性中皮腫に対する集学的治療(手術、化学療法=抗癌剤治療、放射線治療等を併用して行う治療)も積極的に行っています。

診療内容

肺癌

 日本における呼吸器外科手術件数は1990年には2万例、2013年では7万例というように一年に2,000例ずつ直線的に増えています。このうち約48%を占める肺癌は喫煙する方の高齢化とともに増えており、加えて、非喫煙者の腺癌も増加の一途をたどっており、肺癌の手術件数は今後も増加が見込まれます。最近では、肺癌手術を受けられる3万数千人の平均年齢は70歳近くとなり、約10%が80歳以上の方々です。
 肺癌の治療方針を決定するに当たり、画像診断でその進行度(病期)を判定します。具体的には癌の大きさや周囲臓器への浸潤の有無、リンパ節転移の有無、他臓器への転移の有無等で、11段階の病期(IA1、IA2、IA3、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IIIC、IVA、IVB 期)に分かれています。画像診断による病期(臨床病期と言います)IA~IIIAが手術適応となってきます。手術後に実際に切除した肺癌の大きさや、郭清したリンパ節に癌細胞がいるかどうかを調べ、術後の病期(病理病期と言います)を判定します。
 2004年に切除された肺癌症例についての全国集計が2010年に行なわれましたが、参加施設数は呼吸器外科専門医修練認定施設605施設中253施設(41.8%)で、症例数は11,663例でした。病期関係なしの全体の5年生存率は69.6%で、そのうち男性の5年生存率は63.0%、女性では80.9%でした。尚、病理病期別の5年生存率は、IA期:86.8%、IB期:73.9%、IIA期:61.6%、IIB期:49.8%、IIIA期:40.9%、IIIB期:27.8%、IV期:27.9%でした。
 肺癌の標準手術は癌のある肺葉(人間の肺は、右は3つの肺葉、左は2つの肺葉に分かれています)の切除と、癌の転移経路であるリンパ節を切除(郭清)することです。
 一方で近年、CT等の画像診断装置の進歩により肺の末梢に存在する小さい肺癌が発見される頻度が増加してきました。これらの末梢小型肺癌に対しては肺の切除範囲を小さくしても(区域切除:癌病巣を肺葉がさらに細かく区画された区域単位で切除する)予後が変らないという報告がみられるようになってきました。肺の切除範囲が少なければ少ないほど呼吸機能が温存されるため、当科でも2cm以下の末梢小型肺癌に対しては、患者さんの同意を得たうえで区域切除を積極的に行っております。

気胸

 気胸の手術は、日本では1年間に約13,000人に行われています。気胸は若い男性に多く見られる病気ですが、高齢化社会とともに高齢者の気胸も確実に増加しているのが現状です。高齢者の気胸は肺気腫、間質性肺炎などの合併症が多く難治性のものが多いのが特徴です。当科では早期の社会復帰ができるように努めております。

炎症性肺疾患、膿胸

 当科では近隣のかかりつけの医院、近隣の総合病院と連携し膿胸の手術を積極的に行っており良好な成績を各学会でも発表しております。膿胸の患者さんは体力が低下している方が多く患者さんのQOL(生活の質)が保てるような手術を行うよう努めています。

手術の傷について

 手術のアプローチ方法には開胸手術と胸腔鏡手術があります。開胸手術の利点は直視下に質の高い手術が行えることにありますが、手術創(からだに残る傷痕)がやや大きくなるという欠点があります。また、開胸器にて肋骨と肋骨の間を開大するため痛みも大きくなります。胸腔鏡手術では手術創が小さく痛みが少ない利点がある半面、急に出血した場合の対処が不十分といった欠点を指摘されています。当科では癌の根治性と手術の安全性を確保するために、12cm前後の皮膚切開創で行う開胸手術を標準術式としてきましたが、胸腔鏡手技の習熟に伴い2009年から創のサイズを縮小し、現在では5cm程度の切開創での胸腔鏡下手術を中心に行っております。

診療実績

外来医師担当表

 
1診(初診・予約診)

庄村 心

新保 秀人

近藤 智昭

澤田 康裕

2診(初診・予約診)

鈴木 仁之

スタッフ紹介

新保 秀人

院長新保 秀人(シンポ ヒデト)

昭和54年医学部卒業

認定資格

・日本外科学会専門医/指導医/代議員
・日本胸部外科学会指導医/評議員
・心臓血管外科専門医/修練指導者
・日本心臓血管外科学会評議員/国際会員
・日本血管外科学会評議員
・臨床研修指導医
・医学博士
・American Association for Thoracic Surgery Active Member

近藤 智昭

心臓血管外科部長 兼 呼吸器外科医長 兼 中央手術部副部長 兼 医療安全管理部副部長近藤 智昭(コンドウ チアキ)

昭和62年医学部卒業

認定資格

・日本外科学会専門医/指導医
・日本胸部外科学会指導医
・心臓血管外科専門医/修練指導者
・日本心臓血管外科学会国際会員
・臨床研修指導医
・三重大学医学部臨床教授/医学博士

鈴木 仁之

呼吸器外科部長 兼 心臓血管外科医長 兼 北勢呼吸器センター副センター長鈴木 仁之(スズキ ヒトシ)

昭和63年医学部卒業

認定資格

・日本外科学会専門医/指導医
・日本胸部外科学会指導医
・呼吸器外科専門医、日本呼吸器外科学会評議員
・心臓血管外科専門医/修練指導者
・臨床研修指導医
・三重大学医学部臨床教授/医学博士

澤田 康裕

医長澤田 康裕(サワダ ヤスヒロ)

平成11年医学部卒業

認定資格

・日本外科学会専門医
・心臓血管外科専門医
・胸部ステントグラフト実施医
・臨床研修指導医
・医学博士

庄村 心

医長庄村 心(ショウムラ シン)

平成14年医学部卒業

認定資格

・日本外科学会専門医
・呼吸器外科専門医、日本呼吸器外科学会評議員